「Marcha Nacional Filipina(マルチャ・ナシオナル・フィリピナ)」は、現在のフィリピン国歌「Lupang Hinirang」の原型にあたる楽曲で、スペイン語時代末期からアメリカ統治初期にかけての重要な歴史的音楽作品です
- SIDE-B FILM staff
- 7月25日
- 読了時間: 2分
「Marcha Nacional Filipina」の背景
作曲されたのは1898年、フィリピンがスペインからの独立を宣言した時期です。
この時期、独立国家としてのフィリピンの象徴(旗、国章、国歌など)を整える必要がありました。
作曲者:
フリアン・フェリペ(Julian Felipe)が作曲。
初演は1898年6月12日、カビテ州で行われた独立宣言の式典で演奏されました。
当時の楽曲は**インストゥルメンタル(器楽)**のみで、歌詞はまだついていませんでした。
「1910年前後の録音」について
どんな録音か:
「Early Recording of the Philippine National Anthem (circa 1910)」と呼ばれるこの音源は、フィリピン国歌の最古級の録音の一つと考えられています。
形式は行進曲(マーチ)で、当初の軍楽隊風のテンポや雰囲気がよく残っています。
特徴:
オーケストラや軍楽隊によって演奏されている(通常はブラスバンド風)
当時の蓄音機録音技術で記録されたため、音質は粗いが歴史的価値が非常に高い
歌詞はおそらく付いておらず、インストゥルメンタル版
国歌としての変遷
1898年:器楽版「Marcha Nacional Filipina」
1899年:スペイン語の歌詞が付けられる
詩人ホセ・パルマ(José Palma)が詩「Filipinas」を作り、曲に乗せられました。
アメリカ時代:英語版が登場
“Land of the Morning” という英語の国歌も使われた
独立後(1946年以降):フィリピノ語(後のタガログ語)版が正式な国歌に
現在の国歌「Lupang Hinirang」となります。
歴史的意義
この録音は、フィリピン独立運動の音楽的証拠とも言え、民族意識の象徴です。
国家形成の初期における「音の記録」です
項目 | 内容 |
作曲者 | フリアン・フェリペ(Julián Felipe) – 1898年に国歌の原曲を作曲 |
初演 | 1898年6月12日、カヴィテ州カウィットでの独立宣言式典で演奏された器楽マーチ |
歌詞 | 1899年にホセ・パルマ(José Palma)がスペイン語詩 “Filipinas” を作詞し、正式な国歌歌詞として採用される |
国歌の進化
1898年:明確に歌詞のない「Marcha Nacional Filipina」として初演。
1899年:ホセ・パルマの詩が加わり、国歌として定着。
米国統治時代:英語版「Land of the Morning」も使われる。
1946年以降:タガログ語による「Lupang Hinirang」が正式国歌に。
1956年:タガログ語歌詞が法的に定められ、1998年にはコード化されました 。
この録音の意義
フィリピン民族主義運動の初期における音の歴史的証拠。
国歌が軍楽隊によってどのように響いていたか、原型の音色を今に伝える宝です。
動画内に「君が代」が挿入されています
23:12 "Ki mi ga yo" - Anthem of Japanese Occupied Philippines (1942-1945)
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