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フィリピンには、ユネスコの世界遺産に登録されている場所が複数あり、その中には文化遺産や自然遺産があります。フィリピンの世界遺産

執筆者の写真: SIDE-B FILM staffSIDE-B FILM staff
  1. Baroque Churches of the Philippines


フィリピンのバロック様式教会群(Baroque Churches of the Philippines)は、ユネスコの世界遺産に登録されているフィリピンの文化遺産です。この遺産群は、スペイン植民地時代に建設された4つの教会で構成されており、それぞれがフィリピンのバロック建築を代表する存在です。これらの教会は、スペインのバロック様式と地元の建築技術や素材を融合させた独自のデザインが特徴です。以下にそれぞれの教会の概要を紹介します。



1. サン・アグスティン教会(マニラ)

* 場所: マニラ市イントラムロス

* 登録年: 1993年

* 特徴: フィリピン最古の石造りの教会で、1587年から1606年にかけて建設されました。地震に強い設計が施されており、内部には精巧な彫刻と美しい天井画があります。


2. サンタ・マリア教会

* 場所: イロコス・スル州サンタ・マリア

* 登録年: 1993年

* 特徴: 高台に位置し、堅牢な構造と防御的なデザインが特徴です。教会の外観は要塞のようで、フィリピンのバロック様式と防衛建築の融合が見られます。


3. パオアイ教会

* 場所: イロコス・ノルテ州パオアイ

* 登録年: 1993年

* 特徴: 地震に耐えるための厚い壁と外壁に施された扶壁(バットレス)が特徴的です。1710年に完成したこの教会は、その壮大な外観で知られています。


4. ミアガオ教会

* 場所: イロイロ州ミアガオ

* 登録年: 1993年

* 特徴: 1787年から1797年にかけて建設され、独自の装飾が施されたバロック様式の教会です。ファサードには、地元の植物や農業のシンボルが彫刻されています。

 

2.Tubbataha Reefs Natural Park



Tubbataha Reefs Natural Park(トゥバタハ礁自然公園)は、フィリピンのサンホセ海峡に位置する海洋保護区で、約97,030ヘクタールの広さを誇ります。1993年にユネスコの世界遺産に登録され、その美しいサンゴ礁と豊かな海洋生態系で知られています。


主な特徴と見どころ


1. サンゴ礁

- トゥバタハ礁は、世界で最も多様なサンゴ礁の一つとされ、約600種の魚類、

360種のサンゴ、11種のサメ、13種のイルカやクジラ、

100種以上の海鳥が生息しています。

大小様々なサンゴ礁が広がり、カラフルなサンゴが海底を彩ります。


2. 海洋生物

- ジンベエザメ、マンタ、タツノオトシゴ、ウミガメなど、多種多様な海洋生物が見られます。

- これらの生物は、トゥバタハ礁の保護された環境のおかげで繁栄しています。


3. ダイビング

- トゥバタハ礁は、世界的に有名なダイビングスポットで、クリアな水中視界と豊富な海洋生物がダイバーを魅了します。

- ダイビングシーズンは3月から6月までで、この期間は海が穏やかで視界が良好です。


4. 自然保護

- トゥバタハ礁は、フィリピン政府と多くの環境保護団体によって厳重に保護されており、違法な漁業やその他の破壊行為から守られています。

- サンゴ礁の保護と再生に努める活動が行われ、持続可能な観光が推進されています。


5. 歴史と文化

- トゥバタハの名前は「長い岩」という意味のサマール語に由来しています。

- 20世紀初頭から漁師たちによって知られていましたが、1980年代にダイバーによってその美しさが広く認識されるようになりました。


アクセス方法


トゥバタハ礁へは、フィリピンのパラワン島のプエルト・プリンセサからライブボード(宿泊設備を備えたダイビング船)でアクセスします。プエルト・プリンセサからトゥバタハ礁までは約10〜12時間の航海が必要です。


旅行の注意点


- **予約**: ダイビングツアーは事前予約が必要で、人気のスポットのため早めの予約が推奨されます。

- **保護区のルール**: 環境保護のためのルールが厳格に適用されており、観光客はこれらのルールを遵守する必要があります。


トゥバタハ礁自然公園は、その豊かな生物多様性と美しいサンゴ礁で訪れる人々を魅了する一方、保護活動が進められている重要な自然遺産です。


 

3.Mount Hamiguitan Range Wildlife Sanctuary



Mount Hamiguitan Range Wildlife Sanctuaryは、フィリピンのミンダナオ島に位置する自然保護区で、2014年にユネスコの世界遺産に登録されました。

以下は、Mount Hamiguitan Range Wildlife Sanctuaryについての詳細情報です。


地理と生態系


- **場所**: フィリピンのダバオ地方、ダバオ・オリエンタル州に位置しています。

- **面積**: 約16,923ヘクタールの広さがあります。

- **高度**: 約75メートルから1,637メートルまでの標高差があります。


生物多様性


Mount Hamiguitan Range Wildlife Sanctuaryは、その高い生物多様性で知られています。以下はその特徴的な生態系です。


- **植物**: 約1,380種以上の植物が生息しており、その中にはフィリピン特有の種も多く含まれます。特に「ピグミー森林」と呼ばれる低木林が特徴的です。

- **動物**: フィリピンワシ、フィリピンオオコウモリ、フィリピンテンレックなど、多くの固有種が生息しています。また、絶滅危惧種も数多く確認されています。


重要性


- **生態学的価値**: ユニークな生態系と多様な生物種が共存しており、特に進化的、環境的な研究において重要な地域とされています。

- **保護活動**: 保護区内では生物多様性の保護と持続可能な利用が推進されており、地域住民の参加も奨励されています。


観光と教育


Mount Hamiguitan Range Wildlife Sanctuaryは、その美しい自然環境と教育的価値から観光地としても注目されています。


エコツーリズム**: 自然観察やハイキングなど、エコツーリズムが盛んに行われています。観光客は自然の美しさと生物多様性を直接体験することができます。

- **教育プログラム**: 環境教育プログラムも実施されており、特に若い世代に対して環境保護の重要性を伝えています。


保護の課題


- **人間活動の影響**: 過去には違法な伐採や農業拡大が問題となっていましたが、現在は厳しい保護措置が取られています。

- **気候変動**: 気候変動による生態系への影響も懸念されています。


Mount Hamiguitan Range Wildlife Sanctuaryは、その独自性と豊かな自然環境から、フィリピンのみならず世界的にも重要な自然保護区として認識されています。これからもその保護と持続可能な利用が重要課題として取り組まれることでしょう。


 

4.Rice Terraces of the Philippine Cordilleras




                       2023年にSIDE-B FILMでロケを行った番組CMです


フィリピン・コルディリエラの棚田(Rice Terraces of the Philippine Cordilleras)は、

ルソン島北部の山岳地帯にある伝統的な農業景観です。この地域の棚田は、約2,000年以上の歴史を持ち、イフガオ族などの先住民族によって築かれ、代々受け継がれてきました。


主な特徴と歴史


1. **歴史と文化的背景**:

- 棚田は紀元前1000年頃から始まりました。イフガオ族は、険しい山岳地帯で稲作を行うために、山の斜面を階段状に切り開きました。

- これらの棚田は、灌漑システムや土壌保持技術などの高度な農業技術を用いて構築されました。灌漑は、山の頂上から谷底までの水路ネットワークを通じて行われています。


2. **地理的範囲**:

- 棚田は、バナウエ(Banaue)、バタッド(Batad)、マヨヤオ(Mayoyao)、ハプン(Hapao)などの地域に広がっています。バナウエの棚田は特に有名で、「世界の八番目の不思議」とも称されています。


3. **ユネスコ世界遺産**:

- 1995年に、コルディリエラの棚田はユネスコの世界遺産に登録されました。これらの棚田は「文化的景観」として評価されており、自然と人間の調和が見事に表現されています。


4. **農業技術と環境保護**:

- 棚田は、環境にやさしい農業技術の一例です。土壌の浸食を防ぎ、水の管理を適切に行うことで、持続可能な農業を実現しています。また、伝統的な農業方法は、生物多様性の保護にも寄与しています。


5. **現在の課題**:

- 近年、若い世代の農業離れや都市への移住により、棚田の維持が困難になっています。観光開発や気候変動も棚田に影響を及ぼしています。

- これらの問題に対処するために、地域コミュニティや政府、国際機関が協力して、棚田の保全と持続可能な発展を目指した取り組みが行われています。


観光と文化交流


フィリピン・コルディリエラの棚田は、観光地としても人気があります。訪れる観光客は、棚田の美しさを楽しむだけでなく、現地の文化や伝統にも触れることができます。地域住民は、伝統的な衣装や踊りを披露したり、手工芸品を販売するなどして、観光客との交流を深めています。


まとめ


フィリピン・コルディリエラの棚田は、歴史的、文化的、環境的に非常に重要な遺産です。その美しさと技術の高さは、先住民族の知恵と努力の結晶であり、現在でもその価値は色褪せることなく輝き続けています。棚田の保全と持続可能な利用を進めることは、地域社会の発展と世界遺産の保護に繋がる重要な課題です。


 

5.Historic City of Vigan



Historic City of Vigan(ビガン歴史都市)は、フィリピンのルソン島北西部に位置するイロコス・スル州の州都ビガン市にあります。この都市は、フィリピンにおけるスペイン植民地時代の遺産が色濃く残る場所として知られています。以下に、ビガン歴史都市について詳しく説明します。


歴史的背景


ビガンは16世紀にスペイン人によって設立され、スペイン統治時代のフィリピンにおける主要な商業中心地の一つでした。この都市は、アジアとヨーロッパの建築様式が融合した独特の都市計画と建築様式を持ち、そのため「アジアのヨーロッパ」とも称されています。


特徴


1. **建築様式**:

- ビガンの建物は、スペインのコロニアルスタイルとフィリピンの伝統的な建築様式が融合しています。これには、石造りの1階部分と木造の2階部分が特徴的です。

- 特に有名なのは、コブレドー通りにある保存状態の良いコロニアル様式の家々です。これらの家屋は、バロック様式とアジアの建築要素が組み合わさっており、独特の美しさを持っています。


2. **ユネスコ世界遺産**:

- 1999年にビガン歴史都市はユネスコの世界遺産に登録されました。これは、アジアにおけるスペイン植民地時代の都市計画と建築の優れた例として評価されたためです。


3. **文化的意義**:

- ビガンは、フィリピンの歴史と文化の重要な証人です。ここには、スペイン時代の遺産を保存し続ける博物館や教会があります。

- 特に、ビガン大聖堂やシモン・デ・ポルタル博物館などが有名です。


観光情報


1. **観光名所**:

- **コブレドー通り**: 歴史的な通りで、石畳の道とコロニアル様式の建物が並んでいます。

- **ビガン大聖堂**: スペイン植民地時代のバロック建築の代表例で、美しいステンドグラスが特徴です。

- **バンタイ時計台**: 市内を見渡せる観光スポットで、ビガンの美しい風景を楽しむことができます。


2. **アクティビティ**:

- **カレサツアー**: 馬車に乗って市内を巡るツアーで、歴史的な街並みを楽しむことができます。

- **ローカルフード**: イロカノ料理を楽しむことができます。特に「エンパナダ」や「バゴオン(フィリピンの発酵エビペースト)」は試してみる価値があります。


アクセス


ビガンへは、マニラからバスで約8時間、またはラワグ市からバスで約2時間でアクセスできます。市内は比較的小さく、徒歩や自転車、カレサでの移動が主流です。


ビガン歴史都市は、その独特な建築と豊かな歴史、文化を通じて訪れる人々に強い印象を残します。歴史を感じながら、美しい街並みを楽しむことができる場所です。



 

6.Puerto-Princesa Subterranean River National Park



  2023年にSIDE-B FILMでロケを行った番組CMです


プエルト・プリンセサ地下河川国立公園(Puerto Princesa Subterranean River National Park)は、フィリピンのパラワン島に位置する自然公園で、壮大な地下河川とその周囲の豊かな生態系で知られています。以下にこの国立公園の詳細について解説します。


地理と位置

プエルト・プリンセサ地下河川国立公園は、パラワン島の西海岸に位置し、プエルト・プリンセサ市から約80キロメートル北にあります。この公園は、海岸から内陸にかけて広がるカルスト地形が特徴的で、多くの洞窟や岩石形成物が見られます。


地下河川

この公園の中心的な魅力は、8.2キロメートルにわたって流れる地下河川です。世界最長の地下河川の一つであり、その一部はボートで見学することができます。河川はセントポール山脈の下を流れ、洞窟内には壮大な石灰岩の鍾乳石や石筍が存在し、訪れる人々を魅了します。


生態系と生物多様性

プエルト・プリンセサ地下河川国立公園は、多様な生態系を有しており、陸上と水中の両方で豊かな生物多様性が見られます。公園内には多くの固有種が生息しており、鳥類、哺乳類、爬虫類、両生類、魚類など、様々な動植物が確認されています。特に、フィリピン固有の生物や絶滅危惧種の保護が重要視されています。


世界遺産

1999年にユネスコの世界遺産に登録されました。これは、その優れた自然美と科学的な価値が評価された結果です。さらに、2012年には新・世界七不思議(New7Wonders of Nature)の一つにも選ばれています。


観光とアクセス

プエルト・プリンセサ地下河川国立公園は、エコツーリズムの重要な目的地となっており、観光客はボートツアーを通じて地下河川を探索することができます。公園へのアクセスは、プエルト・プリンセサ市から車やバスで可能で、市内から公園までの道路は整備されています。また、訪問には事前予約が推奨されます。


環境保護と管理

公園の管理は、環境保護と観光のバランスを重視しています。持続可能な観光を推進するためのガイドラインが設けられており、訪問者は自然環境を保護するためのルールに従うことが求められます。これにより、貴重な自然遺産を未来の世代に引き継ぐことを目指しています。


プエルト・プリンセサ地下河川国立公園は、その自然の美しさと生態系の豊かさで訪れる人々を魅了し続けています。自然愛好家や冒険心に満ちた旅行者にとって、訪れる価値のある場所です。



 

フィリピンにはまだまだ素敵な建物や手付かずの大自然が残されています



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